GPT-5.6を使ってみた|Sol・Terra・Lunaの違いと、自律で動くChatGPTの実力

受信箱に3,000件を超える営業メールがたまっていました。面倒で、ずっと手をつけていませんでした。GPT-5.6に「ちょっと整理してほしい」と伝えたら、およそ10分で全件の整理台帳ができあがりました。この自分で動いてくれる力が、今回のいちばんの変化だと感じています。GPT-5.6は2026年7月9日に一般公開された最新モデルで、Sol・Terra・Lunaの3種類に分かれ、無料でも新しいモデルが使えます。この記事では、できること、3モデルの違い、料金を先に整理したうえで、実際に業務で使って分かったことを紹介します。
01GPT-5.6でできること
GPT-5.6は、2026年6月26日にプレビューが公開され、7月9日に一般提供が始まったOpenAIの最新モデル群です。ChatGPTとAPIのどちらでも使えます。いちばんの変化は、質問に答えるだけでなく、作業の段取りを自分で組んで最後まで進める力が上がったことです。
モデルは3種類に分かれた
- Sol:最上位モデル。コーディング、ナレッジワーク、サイバーセキュリティ、科学の分野で最高水準の結果を出すとされています
- Terra:日常業務向けのバランス型。GPT-5.5と同等以上の性能を約半額のコストで提供します。無料枠で使えるのもこれです
- Luna:最も高速で低コスト。要約や下書きなど、大量の軽い作業向けです
考え方を選べる推論設定
推論の深さも選べるようになりました。新しく加わった「max」は、長く考えて代替案を検討し、自分でチェックと修正を回してから答えます。さらに「ultra」は、複数のエージェントを並列で動かして難しい作業を進める高性能設定です(有料プラン向け)。急ぎの質問は浅く速く、重要な分析は深く、と使い分けられます。
外部のアプリとつないで動ける
ChatGPTからGoogle Workspaceなどの外部サービスに接続すると、GPT-5.6がGmail・ドライブ・カレンダー・スプレッドシートをまたいで動けます。後述しますが、私の体験ではここがいちばん業務に効きました。安全面でも、リアルタイムのチェックや会話の文脈から危険を判断する推論モニターなど、同社でもっとも堅牢とされる多層のセーフガードが入っています。
02Sol・Terra・Lunaの違いと使い分けの基準
3モデルは「速さ」と「考える深さ」がトレードオフです。どれが速く、どれがじっくり考えるのかを表にすると選びやすくなります。
| モデル | 速さ | 考える深さ | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| Luna | 最速 | 標準 | 要約・下書き・大量の軽作業 |
| Terra | バランス | 高い | 日常業務全般(無料枠はここ) |
| Sol | じっくり | 最高 | 難しい分析・コーディング・専門業務 |
速さがほしい軽い作業はLuna、毎日の仕事はTerra、時間がかかっても精度がほしい難所はSol、という切り替えがちょうど良いと感じました。深く考えるモデルほど回答に時間がかかるので、全部をSolでやろうとせず、用途で分けるのがコツです。
03GPT-5.6の料金とプランの整理
料金は「無料でどこまで使えるか」と「有料で何が開くか」で考えると整理しやすいです。
- 無料版:バランス型の「Terra」が使えます
- 有料版(Plus・月3,000円ほか):最上位の「Sol」と、複数エージェントを並列で動かす「Ultra」モードが開きます
API経由で使う場合の料金の目安は次の通りです(100万トークンあたり)。
| モデル | 入力 | 出力 |
|---|---|---|
| Sol | $5 | $30 |
| Terra | $2.5 | $15 |
| Luna | $1 | $6 |
使い始めるだけなら、難しい設定は要りません。
- ChatGPTのアプリかWebサイトにログインする
- モデルの選択でGPT-5.6を選ぶ
- 無料ならTerra、SolやUltraを使うならPlusなどの有料プランに切り替える
04実際に使って分かったこと
ここからは、私が実際に業務で使って感じた部分です。
1. 放置していた3,177件の受信箱が、約10分で「整理台帳」になった
私の受信箱には、営業メールを中心に3,000件を超える未処理のメールがたまっていました。面倒で、ずっと手をつけていなかった山です。GPT-5.6をGoogle Workspaceにつないで、「ちょっと整理してほしい」と頼んだだけで、返ってきた結果がこれです。
- 受信箱3,177件を確認し、全件の整理台帳を作成
- 未読:2,840件(89%)、うちプロモーション系が2,347件(74%)
- 送信元は244種類。配信停止候補が60送信元・計2,143件、アーカイブ候補が21送信元・計355件
- 結論として「大量配信元の配信停止 → 重要・添付・個人メールを保護 → 30日超の営業メールをアーカイブ」という安全な手順まで提案
「この人からはこれくらいの頻度で来ている」が一覧になったので、どれを見てどれを止めるかの判断が一目でつきます。ここまでで、かかった時間はおよそ10分です。3,000件を自分の手で仕分けるのは現実的に無理だったので、これは正直、驚きました。
感心したのは進め方の慎重さです。Gmail本体のメール・ラベル・既読状態には一切手を触れず、まず台帳だけを作る。メール本文は機密を含む可能性があるから複製せず、日時・送信元・件名・分類・元メールへのリンクだけを記録する。勝手に消さず、判断はこちらに残す設計で動いてくれました。
2. ざっくり頼んでも、段取りを自分で組んで最後まで進む
以前は指示を細かく区切って渡していましたが、GPT-5.6ではざっくり伝えても、筋道を立てて最後まで進めてくれる場面が増えました。思考力が上がったという他のレビューの評価は、実際に使っても同じ印象です。こうした連携は、これまでもエンジニアが仕組みを組めば実現できましたが、いまは接続して日本語で頼むだけです。非エンジニアでも使える形になったことが、業務効率化の面でいちばん大きいと感じています。
惜しい点・使う前に知っておきたいこと
自分で動く範囲が広がった分、「何をどこまで任せるか」の線引きは必要です。最初は結果を確認しながら、任せる範囲を少しずつ広げるのが安心です。無料で使えるのはTerraまでで、SolやUltraは有料になります。Google Workspaceとの連携も、最初に接続と権限の設定が要ります。
05向いている人と使い分けの基準
今回のGPT-5.6は、次のような人に特に向いていると感じました。
- メールや資料の整理に時間を取られていて、定型作業を任せたい人
- Google Workspaceを使っていて、GmailやドライブをまたいだAI活用を試したい人
- 調べてまとめる作業が多く、情報収集から表づくりまで一気に進めたい人
- まずは無料で最新モデルを試したい人(Terraが使えます)
じっくり使うなら、コーディングや専門的な分析はSol、大量の軽作業はLuna、という使い分けが効きます。すべてを任せきりにするのではなく、最初は結果を確認しながら範囲を広げるのがおすすめです。
06よくある質問
使えます。無料版ではバランス型の「Terra」が利用できます。最上位の「Sol」や複数エージェントを並列で動かす「Ultra」モードは、Plusなどの有料プランが必要です。
日常業務が中心なら、無料のTerraでも思考力と自律性の向上を体感できます。メール整理や資料作成を任せる使い方が多い人ほど、乗り換える価値を感じやすいです。
Lunaが最も高速で低コストです。要約や下書きなど、速さを優先したい軽い作業に向いています。じっくり考えてほしい難所はSol、毎日の業務はTerraが目安です。
できます。ChatGPTからGoogle Workspaceに接続すると、GPT-5.6がGmailの整理やスプレッドシートへのまとめまで進めてくれます。最初に接続と権限の設定が必要です。
私が試した範囲では、Gmail本体には手を触れず台帳だけを作る、本文は複製しないなど、慎重な進め方をしてくれました。それでも任せる範囲の設計は必要です。社内ルールと合わせて、最初は確認しながら広げるのが安心です。
メールの仕分け、資料作成、情報を集めて表にまとめる、といった定型作業で効きます。手をつけられずに放置していた作業ほど、効果を実感しやすいです。
07まとめ 思考力・自律性・使い分け
GPT-5.6は、考える力と、自分で仕事を進める力の両方が上がったモデルだと感じました。放置していた3,177件の受信箱が約10分で整理台帳になったように、これまで諦めていた作業を任せられる範囲が確実に広がっています。無料なら日常業務はTerra、難しい作業はSol、速さがほしい軽作業はLunaと使い分けられます。いちばん身近なAIであるChatGPTがここまで来たので、社内に広げるなら、任せる範囲の基準を揃えるところから始めるのがおすすめです。
